【人】 巫凪 桜花[以前のメンテナンスの折、動植物のデータが欲しいとねだれば、外部デバイスを与えられた。 それは、アクセス可能なデータに制限がかけられたもの。 新人類の成長に相応しい情報か否かは、当然管理されている。 植物を自在に成長させる能力を与えられながらも、 外界で多様な動植物を目の当たりにする機会は無いに等しい。 楽園をそぞろ歩きながら、デバイスを通じて網膜に映すその名や生態を知るのは、興味深いものだった] ここに来てから見たのは。 緑と、花と。動物。 …こんなにたくさん、在ったんだな。 生でみると、ちょっと色が違う気がする。 そんなはずないのに。 南国の花は匂いが強くて。緋雁の嗅覚だと、きつすぎるかも。 [問われるまま拙く紡ぐ、目にしたもの、感じたこと>>0:144 今はただ、此処の生態系に圧倒されるばかりだ。 とりとめもない言葉を、自らの創造主である彼に語って聞かせる時間。 深い眠りの水底へと、ゆらゆら揺蕩い、沈みゆくまでのひと時。 シェルターに守られるより安穏とした心地が、意識の深部に刷りこまれていく*] (7) 2023/11/20(Mon) 8:43:09 |