人狼物語 三日月国

124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】


【人】 “観測者” 処暑

[ 海に面した平野を内陸へと辿れば、田園地帯が広がる。
 処暑の統治域は、中心都市から離れれば、長閑な風景が広がる場が多い。
 処暑――穀物が実る季節を冠する場に相応しいと言えるのかもしれない。

 さて、その一角に、広い平原がある。
 季節毎に花が咲き誇るその平原は、遠くが霞むほどに広い。
 その花畑を奥へ奥へと分け入っていくと――
 辿り着くのが、私……『処暑の灯守り』の“領域”だ。

 “外”の季節がどうであれ、一年中夏の気配が残る此処は、しかし秋風も吹いている。
 平野には田が広がり、常に稲が穂を垂れ一面の金色。
 遠くには、秋桜の咲く田も見えるだろう。
 そこにぽつりと建つ家に、私は居ることが多い。
 家から出たとしても殆ど領域内から出ることはなく、引きこもり状態だ。

 ……おかげで、統治域内の住人には囁かれる。
 「先代の灯守り様は立派だったが、今代の灯守り様は冷たい」等と。
 執務処理等はきちんとやっているのだから、文句を言わずとも良いのではないだろうか。
 尤も、普段の雑務や人前に出る仕事は完全に他人任せであるので、言われている事も当然の事ではあるが。
 部下たちとの連絡も殆ど取らずに、私は統治者の判が必要な処理だけを機械的にするのみとなっているのだから。
 住民のために何もしていないと言われれば、事実だ。
 姿と雰囲気だけは先代に似ていると言われるが、人々への向き合い方は全く違う。
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(8) hoshine_k 2022/01/15(Sat) 2:40:32