人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 厨房担当 ゲイザー

― 現在:ダブルベリーの日 ―

[初鰹と海老と、鴨と、春人参と新じゃがと、メロン
とパクチー
のあの夜以外。
 速崎璥の日常の行動は、少しだけ変わった。

 仕事上がりに真っすぐ帰宅するのは変わらなかったけれど。
 休みの日にはストリーミング三昧だけでなく、街の本屋や図書館にふらっと足を運ぶようにもなった。
 映画誌とかドラマ誌とか、アニメ誌とか、音楽誌とか、そういったものをザッピングするように捲っていた。
 ……ザッピングと言いながらも、ふっと目が留まってしまうものも、あったのだけれど。

 それに、アイルランドの紀行文とか写真集とかも。
 あの晩に遠藤に対しては、お酒の(主にギネスの)アピールこそできたものの。実際、どんな自然があるのか、どんな星空があるのか――話に聞くだけじゃない、ビジュアルでのイメージを、もっと知りたくなって。
 祖父母の愛したイギリスのとなりの、その地へと、ひとり思いを馳せていた。]
(8) sakanoka 2023/03/11(Sat) 6:56:18