【人】 物書き ラサルハグ>>-8 テレベルム 「……出立だろうか?」 なんとなくそんな様な、急ぐ雰囲気を纏う彼を見かけたから、なんとなく声を掛けた。 先日話をした時に、かの白いふわふわ、恐らく妖精族が完治云々言っていた。幾らも意思の強さを感じるのは、その事情だろうか。 首を傾いで、この場では珍しく自分より上背のある彼を見遣る。 「……そう急ぐ事もあるまいよ。 リュシー殿が記念に絵を描こうと、提案していた。 …貴公が筆を寄せてやれば…きっと喜ぶだろう」 杖を持たない手で裾を掴む。 「何、私も祭りが終われば……出立する。 …馬車を予約しているから…、共に行くか?」 言葉には特に何の含みも無い。 年の頃が近く見えるから、多少気安いだけだ。 (8) 2022/03/29(Tue) 3:23:12 |