人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【人】 寡黙 エミール

>>+4 ファリエ

「……あぁ」

か細い声。
頷いたのを見れば立ち上がり、手を差し出したりしたかもしれない。
そうして案内されるまま二人で歩いてしばらくすると、空き地にたどり着く。

「へぇ……、忘れ去られた場所みたいだな」

ここなら確かに、ゆっくりと落ち着いてものを考えることも可能だろう。
あなたが腰を下ろしたそばに自分も腰を下ろして。
ただ数度、その背を撫でるようにぽんぽんと叩いた。

話す余裕もないならば、まずは呼吸を落ち着けるのが大事だろうから。

しばらくして、ぽつり。

「……怖くなったか、人に囲まれて。
 ……幸せになりたいんだろ。……光ったのは嬉しいことではないのか」

呟くように聞いたのは、先日の食事との違いに不安を覚えたからだ。
(9) 2024/02/06(Tue) 1:31:34