人狼物語 三日月国

148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ


【人】 ウーヴェ


 ─ 回想:彼の気まぐれ ──


[ 自分のことを自ら話そうとしない。
  そりゃあそうだよな。
  秘めたるものを皆抱えている者たちばかりだ。
  じゃなきゃ現世に留まったりはしない。

  正義か悪か
  それは見方次第だと思っている。
  立ち位置の問題だ。


  石を投げる側の者が
  次の日には石を投げられている。
  そんな理不尽が罷り通るのが現実だ。


  魔王にとって勇者は己の命を狙い
  魔物を殺す殺戮者だ。
  でもこれは魔物が人間を襲うからだと
  先に手を出してきたからと人間たちはいうのだろう
  もしくは生きるために人間を食べるという
  事情もあるかもしれない
  その真実は誰が知っているというのか。


  結局勝者が強い世界だ。
  勝った人間、生き残った人間
  それらが事実を隠すのも
  好きに語ることのできる世界だ。 ]

 
(9) 2022/05/25(Wed) 5:27:38