【人】 被虐 メイジ>>8 ロク 瞬いた瞳が、あなたの様子を一瞥する。 その心中を察することもできない。 メイジは、あなたとこの男の関係を知らないからだ。 真っ赤に染まった手で、汚れるのも構わず顔の汗を拭う。 一度や二度で慣れるはずもない。 こみ上げてきそうになる胃酸を必死で我慢していた。 思い出す。友達をそうした時のことを。 バラバラにされた手足や骨や、内臓が、剥いだ皮膚が バケツの中に溜まっていく。 もう生前の見る影もなくなっていく目の前の男 彼が死を選ぶことを、メイジは知っていた。 「……ミロクさんは、」 ふと思い出したことを、呟く。 なにか話でもしないと気が変になりそうだったのかもしれない。→ (9) 2021/07/13(Tue) 1:38:02 |