【人】 寡黙 エミール>>8 ディルク 「まぁ少し………」 嘘はつかないが言葉は濁した。 明確にこう思ったとは言わない。だがまぁ、大体予想はつくはずだ。 「ふぅん……まぁ、よく見たら案外アンタ」 ひとつ、間をおいて。 「……笑わないんだな」 ぽつりと言う。 正確に言えば笑うことは出来るんだろうけれど、目が笑ってないようにみえるというか。 心から笑ってるように見えないと言うか、そんなところで。 「じゃあ行くか、高台」 男同士の逃避行と言った所。 ここからなら、街中をあまり通らないでも済む。 ずっと寄り添っていた猫に別れを告げ、二人で高台へと向かうだろう。 (10) eve_1224 2024/02/10(Sat) 2:04:09 |