>>9――すぐに思い至る。これしか考えられない。
この世界で自分たちに連れていかれた者は、
会いに行こうとしてもこちらからは
絶対に会いに行くことが出来ない。
その残酷なルールが、今は"俺にも適用されている"としたら。
俺がどんなに自転車を回しても、たどり着けない理由はそれだ。
世界が。田舎が。この村が。
『完遂する』ことが出来なかった俺を、拒絶し始めている。
自転車を持ち上げて向きを変える。
今まで漕いできた河川敷への道を、引き返す。
だったら、俺がやるべきはこれしかない。
向かうは――この村の"
村役場公民館
"だ。
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