【人】 緑山 宗太朗これは確か、数時間前の出来事。 森の中、辺りの静かな雰囲気とは対照的に…… 「 ひぃ〜! 」己の持ってきた荷物の重さに悲鳴をあげながら、ダッフルバッグを小脇に抱えて小走りで管理小屋へ足を進める姿が見えたとか。 走り方から見える落ち着きのなさ、どことなく浮ついた調子…… どれを取っても、御歳22を超えた成人の様には見えないかもしれない。 男の入場はまるで、学生がはしゃぎ慌てて駆け込んできたような有様である。 管理小屋に着いたら、1度荷を下ろした。 静かにのっしと置かれた(ぎっしり中身が詰まっているであろう事は一目瞭然の)バッグは、多少重力に任せて落とした程度では型崩れもしなさそうだ。 "いらっしゃいませ" と奥から応対しに出てきた従業員を見れば片手をあげて 「ちわ〜、予約してた緑山なんですけど」 と、軽い調子で早速本題へ。 (10) 2023/02/28(Tue) 22:31:56 |