【人】 生徒 武藤景虎[光あるところに陰がある。 太陽が照らす大地あるところがあれば月灯りが支配する世界がある。 昼の世界に嫌われた者は夜の世界で生きていく。 そんなフレーズは割りとどこかしらでも見聞きしたことがあるものだろう。 ただ、実際の当事者となると昼の世界で生きられないということは不便なことが多い。 各種店舗も夜には閉店しているし公共交通機関には夜は動いていない。 学校も基本的には昼間にあるものであり「宵月」に入学するまでは通ったこともなかった。 一年生の頃から通い始めて環境にはすぐに慣れた。 学校生活というものも面白いものだと謳歌しているのが現段階である。 色素の薄い肌は陽の光に長く当たるとすぐに赤くなり焼けていき、瞳も髪も同様に悪影響がすぐに出る。 身体の性質はまるで吸血鬼のようだが正真正銘のただの人間である。 そんなただの人間が「宵月」の環境に馴染んだのは特異体質にもう一言付け加えられているからだった] (10) 2024/11/10(Sun) 2:18:22 |