【人】 第11皇子 ハールーン[7つで殺されかけた時から、逃げ回っていた自分が、こうして従者を連れて帰ってきたのだ。目をつけられないはずが無い。 けれど後継争いに参加する意図など当然あるはずなくて、むしろ逆だった。まだまだ成人に満たない自分が、ひとり逃げきるには限界がある。 形跡が追えない様に、移動には『魔法具』を使ったけれど、] イスハークはきっと気づいてるよなぁ…… [優雅な立ち振舞いで民衆にも顔の利く二番目の兄を思い浮かべながら、思いの外、憂鬱な声色が出てしまった。 それも当然だ。4番目の兄と共謀で1番目の兄を殺した張本人なのだから。] (10) 2021/04/14(Wed) 17:55:26 |