【人】 志隈[青い青年を脅かしてやろうなんて考え付きもしなかったが、 もう少し話を交わせば、人となりを少しは理解出来たか。 話す気があれば、だが。] あんたに似た男を知ってるから、気になった。 [理由は告げたものの、予想通り返らない答えには納得し、 否、想像より大分口は悪かったが。 最初に話を聞こうとした時も、 同じようなフレーズを言われたなと僅かな懐かしさ。 そういえば、何故か、国境を越えて言葉がわかるんだなと思ったが、 これも夢の力というものか。 その間に銃口を押し付け直されて、 大人しく従った振りして進む。 銃口を気にしてないのは滲んではいて、 キレやすい人間なら既に発砲しててもおかしくないが、 口に反して大人しい方なのだろうか。 一歩、二歩と緩く踏み歩けば、 少し得意げな声が聞こえる。 トップで、青年と青年の家族の恩人。 生い立ちなど知らないが、馳せて、反芻し。 視線を向けることなく、扉に手をかけて。] …なら、何故、あの女性の側から離れた? (10) 2020/10/03(Sat) 0:28:27 |