【人】 銀の弾丸 リカルド【路地の店】>>9 ストレガ 予想と違わず辛辣な言葉を受け、さすがの仏頂面も少しばかり眉を下げ。 それでも、辛辣な言葉の裏に面倒見の良い一面がある事を知っているから、降参の意味を込めて軽く両手を上げた。 「お前の言葉には何一つ言い返せないな」 頭を撃たれて絶対安静にならないわけがない。 ド級のバカと言われればそのとおりだが、どうにもそういう訳にはいかない。 外回りを押し付けられてる時点で、色々警戒すべきこともあるのだが、それはさておき。 正面から貴方の顔を見れば、流石にその大荷物と欠けた頬と耳の状態には気づくだろう。 「……だからその傷を作ってきたのか? その大荷物も気になるが……闇医者で見た時はそんな傷、なかっただろう」 表に見える範囲でしか、彼女たちの交友を知るわけもなく。 自分とて、あの2人を殺した人物は洗い出したいと思っているから、その様子を見れば何をしてきたかくらいは想像がついた。 断られるだろうなとは思いながらも、両手に荷物があることを良いことに流してある横髪に触れ、傷を診た。 「俺が密売に使ってる港の5番倉庫の地下によかったら来い。 綺麗に手当をしてやろう。女の顔にこの傷をそのまま残すのは忍びない」 続く言葉には「言い訳……」と頬をかけば、 「テンゴさんがそこで、俺以上の重体で寝ている。 俺が今、ベッドで寝ている時間は1秒たりともない。心配させてすまんな」 と言い、そこには最新の医療施設を作っていると告げ、そこでマウロを手術したことも告げた。 貴方になら、あそこに今寝ているテンゴにも会わせてもいいと、思っているからこそのことだった。 (10) 2022/08/25(Thu) 19:39:01 |