人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 Chiabica テオドロ

通報を受けてすっ飛んでいった路地の裏側。
平穏を乱すものから人を守るため、今日も馬車馬のように働いていた。

「……これで全部ですね。ええ、お疲れさまでした。
 あなた方にしては手際が良かったんじゃないでしょうか」

上出来ですよ、と、部下達にたまの褒め言葉を添えておく。

暴行、強要、果てに威力業務妨害。
大層な罪状で押さえつけた輩どもが、
一人、また一人と車に蹴り込まれて行って。

その一人に近づけば忌々し気な目で睨まれたものだから、
面白味もなく薄く口角を上げた表情で、
心の内にあった憐れみと慈しみを混ぜ掬った。

「大方頭の茹った破落戸でしょうが、不運なこと。
 最近就任なされた署長代理は少々潔癖症のようでね」

可哀想に、彼は何も知らない。
先に待ち受けてるものを。今この国を回してる者たちを。

「歌うならばお早めにどうぞ。

 私は人道という言葉は好きですが……
 それが適用されるのは良い子にだけです、おチビちゃん」

嘲笑交じりに言ってから、ドアを閉めた。
(11) backador 2023/09/02(Sat) 3:12:01