【人】 イウダ[「ただいま」と帰る家に人の気配がある幸せ。 料理が出来ないことを直視したくなくて母親が仕事に没頭するようになったのは少年時代。 小学校低学年から「ただいま」に返る声はなくなった。 「ただいま」に「おかえり」が返ってくる喜びを知ったのは、中学に入って織戸という友人が出来てからだった。 自分の家でもないのに「ただいま」と何度も織戸家の母親に「おかえり」を求めたものだ。 正しい家族の形を求めてきた卯田にとって、籍こそまだ入っていないものの、紫亜と二人で暮らして、大体彼女の方が先に帰っているという状況は幸せそのものだった。**] (12) Ellie 2021/08/16(Mon) 20:15:59 |