人狼物語 三日月国

14 【完全身内村】不思議の国のアリス


【人】 歩く骸骨 デッド

>>1>>2>>3姫君への返し


「そうだね、とうに居なくなってしまったね」

それで良いのだ。それが自然だから。
“死んだ者には会えない”…当たり前の摂理だ。

唯────悪魔の囁きで、私が夢を見てしまっただけ。

「姫君、私はこの世界と折り合って生きて来たんだよ」

世界は美しい。面白い物で満ちている。
私が創り、彼女が歩き、今は他人の手に渡って成長し続けている。
私は傍から楽しく眺める存在で居られれば良かった。時の果て、段々と“ルイス・キャロル”が消えようとそれはそれで良いかと思っていたのに。

“アリスにまた会えるかもしれない”なんて。
抑えた感情が蓋を突き破る程、耐え難い程の、誘惑だった。

これ程長い時を生きて尚願い事があるとは思いもしない。
ずっと諦めてきていた私も違わず欲深い奴なのだ。
そして同じくらい、臆病で女々しい奴なのだろう。

私は終わり無き生に倦まない為に、“アリス”を必要としている。きっと。

「ずっとは……難しいでしょう?」

幼子に言い聞かせるように、優しい口調で語りかけた。
姫君は有限の存在なのだから。土に還るのが定めだから。

というかそもそも、こんな骸骨に寄り添うには勿体ないお人だ。
(12) rein-joir 2019/09/15(Sun) 9:01:21