【人】 軽音部 千葉郁也[すっかり暗くなった通学路を校門に向かう足取りは重い。 旧校舎の幽霊? そんなもんいるわけねぇし。 旧校舎探索に誘ってきた友人にそう返したのは数日前、文化祭準備中の時だったか。 参加する気などさらさらなかったというのに、どういう流れか参加することに頷いてしまった。 同じクラスの津崎もミス研の奴に誘われていたようだが、 「幽霊見つからなかったり>>10」したら帰るなどと 言っていて、正気か?と思っていたばかりだというのに。 ちなみにこの正気か?は旧校舎の探索に行くことに加えて 幽霊がいる前提かのような口振りに対してである。 その前は否定的な空気を出していたように見えたのだが。>>7 むしろ全く信じていないのに参加する方がおかしいということは重々承知故に、なぜ今、夜の学校へ向かっているかは俺自身よくわからない。 どういう流れかってどうしたらそんな流れになるんだよ。 あの日の俺を助走をつけて殴りたい。 幽霊にぶるって行きたくないという空気が流れていたような気がしたから、頷かざるを得なかったというのは記憶から消した。 願い事がどうたら言っていた気はするが幽霊なんぞは存在しないのだから考えるだけ無駄であると記憶もしていない。] (12) 2022/10/12(Wed) 2:53:47 |