人狼物語 三日月国

162 【身内】奇矯の森【R18G】


【人】 手探り ノル


「……うん」
嫌いって、許さないって言われると、分かっててもすごく悲しかった。悲しかったのに、不思議とそれもそれで居心地が良くて。
この悲しさに浸り切ってしんでしまいたくなる。


でも、続いたリディの言葉で、そうじゃなくなった。
「……そうなの?」
君は生きているから、返事がある。

一欠片でも、好きって思ってくれてたら、すごく嬉しかった。嬉しい。
「まだ……全部嫌いになってないの?喋るのも嫌じゃない?一番下じゃない?」
寝かせ終わったから、もう、穴掘りはおしまいだ。
土かけたりしなきゃいけないのかもしれないけど、それより。
やりたいこと、ぐるぐる頭の中で回っているような気がして、でも、僕に出せる答えはひとつだった。

ベリ兄がいくかな、って思ったんだけど。

「……リディ、あのね……リディともっと仲良くなりたかったな」

ふら、と立ち上がって、飛び込むように、リディに向かう。
手の中に小さい
ナイフ
を隠して。
君が避けてたことだから、今までできなかったこと。どうして嫌なのか聞く勇気もなかったこと。
ぎゅっ、て思い切り触りたかった。これで好きが一欠片もなくなったとしても。
(12) 2022/07/26(Tue) 3:29:37