【人】 7734 迷彩 リョウ>>11 >>a4 闇谷/貴戸 屈んだ小豆色を見て、ああやはり他人なのだと思って。 自身の頭を撫でる手に、他人だからこんなに温かいのだと思い知る。 オレは、好きに生きるよ かつてそう言っておきながら、本音を奥深くにしまい込んだ。 好きに生きられないけれど、それを認めたくない。 これが自分にとっての、好きに生きることだと言い聞かせてきた。 「…… す 、好きに。生きたい、よ」そうして貴方たちへ返ってきたのは、 答えでもなく、決意でもなく、願いだった。 「生きたい、けどさぁ……そんなの、できないじゃん」 僕にとっては一緒だけど、世間様にとっての上からでいいね? 悪い奴を教えてほしいと告げれば、彼は言った。 世間様の思う、悪い人間。 その中に自分がいることに気付いたのは、数年前のこと。 人が死ぬというのはな、迷彩、それと同じで悲しい事なんだ。 自分 ──悪い人間を殺せば悲しむ人間がいるなんて、知りたくなかった! 「オレは生きるなら、誰かを殺さなきゃいけないの」 (12) 2021/10/04(Mon) 1:15:14 |