>>1:144 ウラミチ
えらかとこねぇ、と都会の話を神妙に聞いている。
相槌がのろいのはいつものことで……そのうち、面食らったような顔をして。
「
ぁえ、え。
…な、
なおる…かいね
」
一段と小さな声で呟いたあと。
「たくさん友達できたんね」とかなんとか、言ったあと。
なんとなく、ふつりぽたりとこの会話は潰えることになる。
カナイは話すのが人一倍に、へただから。
その後は、スマホに夢中そうな裏道のそばで。
ぼろっちいベーゴマを弄りながら、ぽけっと座っている時間があったりした。
(咎められたりしないなら、そうなる。)