【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[その頃はまだあまり人と話すことに慣れていなくて、 色んなものが言葉足らずだったと思う。 それでもフォルスは優しく頭を撫でてくれた。 撫でられることに慣れていなくて、 乏しい表情が、一際複雑なものになったかもしれない。 嫌な感じはしなかったから、避けることはしなかった。 同じ高さになった視線の先に、 私にも分かるような言葉で話す彼に。>>3:266 こくん、と。 小さく、頷いた。] 『いたいのは かなしいから』 [それは自身が負わされた疵を思い出してのこと。 痛みはじくじくと身体を苛むから。 痛む度に、痛む場所を繰り返し思い出すから。 夜も眠れなくなって、つらい。] (13) 2022/12/20(Tue) 1:00:40 |