【人】 虹彩異色症の猫[ 遊びたい盛りであるのはひとの子も同じことで>>10、善意で追い回すと猫は全身の毛を逆立てて逃げる。無造作に抱き上げると身を捩って抜け出そうとする。一度姿を見失うと暫く出てこず、また店側か、いや街路に出てしまってはいないかと騒ぎになる。 であるから、子猫の部屋となっている箪笥部屋、そこから続きの年寄りが居住まう部屋の襖は普段はぴっしりと閉められている。 二間続きで見渡せるほどの広さであり、隠れる場所などそうありはしない筈なのに、猫は器用に気配を潜める。 今もそうだ。部屋の主が帰ってくると>>11、もぬけの空のように畳の間は静まり返っている。]** (13) 2022/04/09(Sat) 9:42:13 |