人狼物語 三日月国

237 【身内R18】冬来たりなば春遠からじ


【人】 北神 翡翠

車を走らせること30分ほど、海沿いから少し外れて山間に入ったところに、洋館風の建物が現れた。店の駐車場に入って車を停めると、セーターからスーツのジャケットに着替える。君も靴を履き替えるとかしたかな。これまでの行程をずっと、ヒール付きのパンプスで移動するのは大変だったと思うし。


「これ、どう?……着けてきたよ」


誕生日にもらったネクタイに着けたのは、クリスマスにもらったネクタイピン。>>0
ずっとセーターの下にあって見えなかったと思うけど、最初からここに居ました〜、なんてね。

服装が整ったら、店の入口へ向かう。
先に扉を開いて、君を中へ通してから自分も続く。
受付で名前を伝えれば、窓際の席へと案内された。

店内の照明は明るすぎず、落ち着いた雰囲気だ。
カジュアルが売りというだけあって、客の服装は様々だが、
小さな子どもを連れたファミリー層は居ないようだ。

席に着くと、飲物の注文だけ聞かれる。
車で来ているからと、ノンアルのシャンパンを頼んだ。
君はアルコールを頼んでもいいけど、おでんの時の前例もあるし、きっと同じものにするかな。乾杯する用だしね。
グラスが運ばれて、一人分ずつ目の前で注がれる。
給仕が去った後で、二人でグラスを掲げた。


「改めて誕生日おめでとう、海瑠…───乾杯」


グラスの側面をそっと触れ合わせた後、
一緒にシャンパンを含んだ。
(14) vitamin-girl 2024/01/05(Fri) 0:26:59