【人】 IX『隠者』 アリア(前略) このように、箱庭神話における『隠者』の存在は 友の死によって壊れた「狂える薬師」として描かれる。 時に毒を盛り、幻覚を見せ、薬によって狂乱を招き、 混迷する箱庭に数々の不和を引き起こしたその凶行は、 後に『女教皇』の手によって制裁されるまで続いた。 直接手を下した数こそ多くはないとされるものの、 その所業はあまりに多くの死の遠因となっており、 『隠者』の存在が崩壊を加速させたことは明白である。 (中略) 『隠者』の証持ちもまた、箱庭の『隠者』と同様に 薬師の才を持ち合わせることが多いと言われている。 もっとも、箱庭の子の中でも忌避される向きの強い 『隠者』の証持ちが、洋館に迎えられるまでの人生を 無事生き延びることができていればの話なのだが…… (K.Z.サンドスター著 「教典から読み解く箱庭神話」より) (14) 2022/12/10(Sat) 15:11:50 |