【人】 九朗[はぐれた褐色の髪を探すことも忘れて散る桜に目を奪われていれば、近くの屋台から「ひとつどうだい?」と明るい声をかけられた。] ……あぁ、いや、りんご飴か…。 [甘いものはすでに食べたし、りんご飴が好きなのは自分より姉や妹の方で…。 そう思って断り、その場を離れようとした九朗は別のものを見つけてしばし考え。] そっちのそれを…。 えぇ。 全色ふたつずつ、いただけますか? [少々変わった買い物の仕方に、店の主人が驚くのも意に介さず。 用意してもらった紙袋にキラキラと宝石のように輝く飴を詰めてもらい、お代を払うと大事に抱えた。**] (14) 2022/04/14(Thu) 0:12:35 |