【人】 手探り ノル脚の傷が治って、痛みが引いていく。 この感覚と優しい光が君の秘密だったのかな。 君が話したくないわけじゃないって教えてくれたこと、君から触ってくれたこと、本当に嬉しくて、目を合わせた。 でも僕。きっと二人になってくれるってこと、利用したのかも。 「ありがとう」 君は苦しそうにも見える。痛みが何によってもたらされているかを理解しているわけではなく……ただ、終わりにしてあげたい。そう思うばかり。 手に握ったナイフを逆手にして、リディへ向ける。 何も苦しくないところで、みんなで、ずっと一緒にいたい。 ハグベリーにもよく見えただろう。 リディの背中へ、突き刺す。 (14) 2022/07/26(Tue) 13:55:10 |