【人】 配信者 テオ―BL号・大ホール― [オレンジジュース入りのグラスを手に取り、これから五泊六日の旅を共にする乗客らの顔でも覚えようかとホールを眺めていた時、不意に控えめな声>>14が己の名を呼ぶ。それも本名ではなくネット上での名で。 幾度か経験のあることではあったが、斜め後ろを振り返りその声の主を確かめれば思わず驚きに目を瞠った] ――……RYO、さん? [そこに居たのは紛れも無く今を時めくアイドル。そして、かつて片想いしていた幼馴染がオーディションの頃から応援している男。最初は一体この気取った男の何が良いものかと嫉妬心に駆られたこともあったが、その意地が続いたのは彼の歌声を聞くまでだった。端的に言えば声が非常に好みだったのである。 その彼からの予想外な言葉に気怠げな双眸は少しばかり視線を泳がせ、ややあってから落ち着きを取り戻し目を合わせた] ありがとうございます。 その……すげぇ嬉しいです。オレもRYOさんのこと、応援っつーか、よく見てるんで。 あー……っと、今日はプライベート、っすかね。その服装的に。 (15) 2022/01/06(Thu) 21:04:50 |