【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 『 大蛇 』は人々を蔑如した。 医術を吹き込む魔術師を全ての人間が 受け入れることなど起こるはずもなく、 懐疑的な目を向けた者も少なくはない。 石を投げられ頭から鮮血を流す主の姿も 『 大蛇 』の脳裏には焼き付いている。 しかしどうしたことか。 我が主をペテンと切って捨てた者達まで 『 大蛇 』に祈りを捧げ、崇め始めたのだ。 主の受けた心の傷が癒えることはない。 にも関わらず己は傷が癒える事を祈るのだ。 それは『 大蛇 』にとって 怒りを感じるには充分すぎる光景だ。 (15) 2021/06/15(Tue) 13:42:33 |