【人】 助勤 サクヤ「鈴の音は、『日乃輪様』から隠り世への誘い。 神々が愛でるに相応しい「雛人形」を求めて、 見込んだ人間へ誘いをかける。 隠り世に心囚われてしまえば、現世に戻ることは叶わない。 鈴の音に応じてはならない。 ――けれど、鈴の音に応じ、 日乃輪様に見初められた者は皆、 「送り雛」として隠り世へ踏み入り、 人ならざる者たちからの寵愛を一身に受ける事が出来る。」 口にしたのは、実しやかに囁かれる噂話。 きゅ、と唇を引き結ぶ。 呆気に取られてばかりはいられない。 記憶が混濁する中、理性の火を灯す。 (15) 2022/03/18(Fri) 10:42:29 |