【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ進む時間と歩みの中で 『ラサルハグ』は少女につられるように 空を見上げる。 元来人間の肉眼で見えぬはずの『Rasalhague』も 木々の隙間を埋める澄んだ夜空ならば 不思議と水面にその姿が映るだろう。 「あの星の名は『Rasalhague』という。 私の名と同じ、蛇の名を冠する。」 道程の中で退屈しのぎになるかもしれないと 何気なく話題を振ると、ソフィアは探すように 夜空を見上げていた。 熱心になるあまり転げてしまいそうになれば 『ラサルハグ』は少女の身体を片腕で支える。 気をつけろとは言うまでもないだろうから 何も言葉をかけたりはしないのだが。 (15) 2021/06/19(Sat) 10:39:31 |