【人】 商人 J[ だが、男にその気はなかった。 仮りにあったとしてもそれは難しいことなのだ。 暗部を知ったものが、それを切り離して表に出ることは想像するよりもずっと難しい。 それこそ、全ての財産、そして自分の命を秤に賭けることにだってなりかねない。 だから、こうして表通りを歩くときはどうしても自分は異分子であると感じている。 もちろんそうであるという空気を纏っているつもりはないが。 活気に溢れ人々の笑顔の多いここよりも、街の片隅のほうがずっと居心地良く感じている。] (16) JohnDoe 2022/03/13(Sun) 16:49:46 |