【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>13 レヴィア 「ま、一般人から見つからなきゃどうでもいい。 どんな口説き屋だってわざわざ隠れてる所に来て 蹴られる口実を得たくはないだろうからね」 肩を竦めながらも、箱を抱えて。 がご、と大きな鉄箱を蹴りで退けて、穴の入口を少し広げる。 「逆になんだったら興味があるのさ」 そう呟いて屈んで穴に入り、箱を置くとあなたを招き入れる。 中は廃墟の割には小奇麗で、幾つかの机と椅子がある。 動く事もないはずの歯車たちは錆びも埃もない。 床も入口付近は草が侵蝕していたが、 そこ以外はワックスのきいた床板が張られている。 発電機でも持ち込んでいるのか、壁にはコンセントの口が 幾つもあって、電動ドリルやはんだごてなど 電機工具のコードがいつでも挿せるようにぶら下がっていた。 特に大きな机のひとつには工具箱とノートPCが置かれ、 おまけに分解されたライフルの部品が転がっている。 その机だけ、小型LEDライトの代わりに アンティークのデスクランプが灯されて 柔らかく手元を照らしているようだった。 「適当に座りな。飲み物取ってくる。 ……何かリクエストは?」 興味と、実在性があるかどうかは別として。 (16) 2022/08/12(Fri) 20:44:26 |