【人】 IX『隠者』 アリア[ 彼女が生まれながらに背負った業。 『隠者』の贈り物は通説同様に薬師の才であったが、 証持ちはおよそ常人よりいくらか丈夫な作りである故、 洋館においてそれを活かす機会はきっと多くはない。 そう、例えば── 不眠傾向の者に頼られるとか。 ] ──… 大丈夫です。ちゃんと目は覚めます。 [ なんて、知識としてしか知らない罪を自嘲した。 女なりの拙い冗談。それをどう捉えるかは相手次第。 けれどもその表情は僅かばかり緩められているだろう。 概ねいつも通りの、穏やかな日常のワンシーンである。 **] (16) 2022/12/10(Sat) 15:19:19 |