【人】 北神 翡翠「で、君はこうも言ったよ。覚えてる? 自分の気持ちは死ぬまで、……いや、 死んでも変わらない、と。 …───俺もだよ」 そこで俺は、テーブルの下から小さな箱を取り出して 君の目の前に差し出す。 やっべ……すげぇ緊張する 急に心臓がドキドキしたけど、言葉を続けなければ。 「君が卒業したら迎えに行くよ、 だから、…… 俺と結婚してくれ、海瑠 」小刻みに震える手で、 ビロード製のジュエリーボックスの蓋を開ける。 箱の中身はプラチナリングが嵌っていて、 その中心には小粒ながらも輝くダイヤモンドが、 君の方へ向けて光を放っていた。 (16) 2024/01/05(Fri) 0:28:23 |