人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 花浅葱 ヴリエミァ

「Scacco matto、ミスター」

男は盤上に孤立した相手のキングを指で弾いて、口元に薄い笑みを浮かべた。
ここは署内の休憩室。
仕事中であれば、チェスを1ゲームするほどの休憩時間は昼以外にはないだろうが。

「あー、白熱しましたね。楽しかったですよ」

悔しがる相手をよそ目にデスクへと足を向ける。
気分は良いが、何かを忘れている気がして首を傾げた。

そういえば……昼を食べてないかな?


「まぁいいか。面倒だし」

昼寝の時間も取れてないがチェスをしたから仕方ない。
あくびを噛み殺してデスクに着けば、部屋に響く電話のコール音。受話器から届いた声に、男は少しだけ苦い顔をした。

「やぁ、アリーチェ。
 今日も順調にトラブルを引き寄せているかい?
 振込詐欺、あぁ……え、署に繋げる? ……OK、話してみようか」

切り替わった時、電話が繋がったままかどうかは相手次第だ。
(17) eve_1224 2023/09/02(Sat) 8:43:49