【人】 孤独では死なない兎 ツィオ>>17 >>16 腐れすぎ縁 【ノッテアジト廊下】 「見てみなよリック、 俺たちの愛息子はこんなに立派に育ってるのに、 ベビーシッターのお前がそのザマじゃ笑いが出るな」 やれやれ、世話の焼けるやつらだと肩を竦めて。 生憎、女性以外の荷物を持つように、 俺の肩は出来てないんだけどなと言いながら荷物を持つ。 肩に荷物を抱えたまま。二人の前を行き、振り返る。 「まあ、病み上がり二人抱えて、 こんな場所でダンスを踊るつもりはないから安心しなよ。 たださ、キミら俺に何か言うべきことあるんじゃない? なあ、マウロ、リック」 そろそろ俺も――"おかえり"が言いたいんだが。 それは言葉にせずに、たった四文字だけ相手に求めて。 右手をマウロのために、左手をリカルドのために。 すれ違いざまにそれが出来るように、顔の横で相手に向けて開いた。 (18) 2022/08/25(Thu) 23:43:14 |