【人】 宝石ディーラー ユーリ・タカノ─展望車両─ [母の実家を出たばかりの頃は 誰かと軽く肩が触れるだけでも体が強張った。 しかし幾ばくかの逃亡期間を経てから ある日、自分に伸ばされた大きな掌。 ──最初に伸ばされた手は、父ではなかったように思う。 以来、男性に触れらた時には人並な反応ができる。 今は、女性だって手袋を嵌めていれば大丈夫だ。 目の前の青年は、自分とそう変わらない年頃に見える。 だから、あの時の男性ではないはず。 けれども、あの時と似たような温かさは感じて 髪の上に手が載せられるのを受け入れた>>0:448] はーっ。 ……ちょっと、怖かったです。ドキドキしました。 [ 顔がいいので、余計にドキドキしちゃったじゃないですか!! ……国際的な機密に首突っ込んで、王子様の逆鱗に触れたかと… [何とか誤解は解けたようだが、ほっと一息つく間もなく “ソレ” と言われた部分を、反射的に隠す>>0:449] (18) 2021/12/29(Wed) 14:57:21 |