【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[意外と寒がらないホウスケにちょっと安心したりしながら、寄り道もしてからやたらおしゃれな亀の棲み処へと向かった。 ウォソちゃんって意味わからないよな……うん。 亀がてこてこ向かって来る間に話し終わる気がしなくて、 首を傾げるホウスケには悪かったが詳しく説明はできなかった。 いや、時間があったってウォーターソーセージが何かとか答える気にはならなかったけど。だってまぁ、笑うだろこんなの。 赤ん坊の俺は今とはまた違うかわいさがあった、という話ならできたんだが。 目の前まで来た亀のおばちゃんにスルーされてホウスケはしょぼくれた様だったが、 俺は俺で「おばちゃん元気そうだな」とか考えながら久し振りの再会に挨拶をしようと思った。 でも彼女は俺の胸に向かって結構な挨拶をかまして来たものだから、流石に驚いた。 ホウスケが声を荒げて止めてくれようとしたから、 「ホウスケ……、」と困った様な頼る様な目で彼を見遣ったが、 彼女は俺を解放してくれなかった。 おばちゃんはホウスケに顔だけ向けて流れ弾を喰らわせたが、ホウスケの言葉>>7を聞いているのかいないのかわからない様な微妙な反応をして、ひとりで考え込んだ。 そうして抑え込んでいるものがあったかもしれないが、 俺とホウスケを見る瞳は穏やかになったから、少し安心した。 ホウスケに名乗られたおばちゃんは「ひだか」と呟き返して、] 「……この子の苗字になったのね。 ……本当に夫婦になったのね。」 [眉を優しく下げて笑ったが、寿司の入った器は大半をホウスケに持たせて運ばせようとしただろう] (18) 2021/02/21(Sun) 21:50:24 |