【人】 修理屋 一二三この辺の簪…は、まだ早いか。 飾り紐あたりなんか土産にどうだ? [誰への土産かといえば、 それは当然九朗の可愛い可愛い姪っ子にだ。 九朗は相当だが、他から見れば俺も大概甘いんだろう。 自分の子供なんて、 この歳まで自分がしたいことだけしてきた奴には 早々望めはしないだろう。 同年代でも早い奴は娘が嫁に行ったと言うし。] [「でも赤より桃色の方がいいんじゃないですか?」 という九朗に、赤が好きなのは母親の方だったなと。 赤いキャンディーリングを嵌めてきらきらと笑っていた 九朗と面差しのよくにた妹の笑顔を思い出す。 その間にも九朗の指先はいくつかの品の上を彷徨って、 店主の話を聞きながらふむふむと相槌を打っていた。*] (18) 2022/10/03(Mon) 23:17:08 |