人狼物語 三日月国

237 【身内R18】冬来たりなば春遠からじ


【人】 北神 翡翠

店を出る際に、店員から君に大きな花束が渡された。
これは俺の方から内緒で頼んだやつ


その場に居たお客を巻き込んでの祝福は、俺にとってもサプライズで、未だ信じられない思いを抱えながら二人で車に戻った。
運転席に乗り込むと、ハンドルに凭れてハァ、と溜息を吐く。
何だか一気に緊張が解けたみたい。


「なんか、もう……すごかった、ね」


先程の出来事を振り返りながら、君の方を見て力なく笑う。


「でも、料理も美味しかったし、すごくいい店だった。
 また来ようか……」


誕生日とか結婚記念日とか、来る理由はいくらでも作れそうだ。
再びこの店を訪れる将来を想像して笑うと、車のキーを差し込んでエンジンをかける。
この先向かうのは、本日最後の目的地。
カーナビに登録しておいた住所を呼び出すと、機械音声の指示に従って車を出した。
(19) vitamin-girl 2024/01/05(Fri) 0:29:32