【人】 銀の弾丸 リカルド【ノッテアジト廊下】>>17>>18 どうしようもない奴ら 「随分良いように言ってくれるじゃないか。 散々面倒をかけてくれるのはいつもお前たちだというのにな」 荷物を奪われ、少しだけ慌てたように「それは大事なものだから、丁重に扱え」と指示をして、前を歩くツィオの後に続く。 慎重に歩かねばならないのはマウロと同じだから、ゆっくりとした足取りだ。 ふらふらした様子を見せないのは、気を張っているからだろう。 それでも、ツィオがこちらを向いて手を掲げれば、 貴方達にしか見せない顔が、ここに確かにあって。 本当に泣きそうな、それでいて安堵したかのような。そんなくしゃり、とした笑みを浮かべて手を伸ばす。 「――ただいま、兄弟」 こつん。 本当に軽く、拳を手のひらに当て、 その開かれた左手にそっと手のひらを重ねた。 (19) 2022/08/26(Fri) 0:17:24 |