>>12 花守
こちらも笑顔で迎える。
「”オトナ”、だよ。あんなに嫌だった大人。俺でも、ってどういうことだ〜?へちゃむくれ」
あなたの頬を掴んで、ごく優しく引っ張ろうとする。
昔は、こんなことをよくやっていた気がする。
「あてて。腹を急に」
その服の下には、当時、本当に薄っすらとした肉しかなかった頃とは違って、明確に硬い筋肉がある。
「今、仕事で鍛えてる。どう?……ていうかさ……。お前。花守、どうなの」
覗き込むように、相手に悪戯っぽく視線を合わせた。
「”約束”。 俺、励みにしてたんだけどな?励みっていうと格好つけすぎだけど」