【人】 3年生 黒崎 柚樹―― エントランス ―― ……っ…………は、……っ、 [あの時 >>1:318 と同じ場所に置いた、メッセンジャーバッグと新しい水のボトルと、脱いだパーカー。 さすがにカレーを口にしてさして時間が経っていない状態で、100mダッシュを繰り返す気にはなれない。 円形のロータリーの縁に沿いつつ、吊り橋の霧のないところまで足を向けて戻ってくれば、多分1周200mくらい。 そこを緩くランニングしていた。 還りたい。 還りたいよ。 でも、誰が死んで欲しいとも、思わない。 誰にも死んで欲しくはない。 頭の中、全然真っ白になんてならなくて。 多分、意識せずペースを乱していたんだと思う。 汗が肘を伝うほどまでに心拍数を上げていたことに気付いて慌てて足を緩めようとする前に、強烈な吐き気に襲われた。] (19) 2022/09/10(Sat) 6:21:39 |