人狼物語 三日月国

237 【身内R18】冬来たりなば春遠からじ


【人】 瀬戸 海瑠



  ……おかえりなさい……


[耳元に吹き込まれる声も、
スピーカーを通していない、素の彼の声だ。
あんなにずっと隣で聴いていたのに、
こんなにも懐かしいなんて、
可笑しいし、嫌だ。

こんなに長い間離れるなんて、
それももう二度と逢えなかったかもしれないなんて、
こんなの、もう御免だ。

彼の背に手を回して、ぎゅう、と
コートに皺がついてしまうくらい抱きしめる。
ああ、本当に、生きていて……ほんのり、あったかい]


  おかえり、なさい……
  ……あいたかった、です。


[もう一度繰り返したら、
俯いて、彼の胸にそう呟く。
もう、これだけで今日は満足してしまいそうな心地だった。*]
(20) nikibi 2023/12/18(Mon) 21:31:41