人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【人】 寡黙 エミール

>>+9 ファリエ

「……元気が出たみたいじゃないか」

ついぞ、ははっと声を出して笑った。
子供の前などでは柔らかな表情を見せることはあるとはいえ、あまり表情の変わらぬ男にとっては珍しいことだ。
弧を描いて飛んでいった小石が跳ねて転がっていくさまを最後まで見届けて。

「別に。
 揶揄われてると思うのならそうかもしれないな」

それで元気が出たなら良いじゃないかとひとつ、呼吸をおいてまた、弧を描く。
自身の心の内を語ることは、まだ出来そうもないが。

「風向き……まぁそういうことかな。
 本当の所どうなるかはこの祭りが終わらないとわからんが……」

自分の痣も光ることがあるとしたら、そういう風にいろんな物を見て固執してみるのも良いかと思ったのだ。
(20) 2024/02/08(Thu) 0:44:43