【人】 何処にでも居る 鏡沼 創>>19 神谷 (昨日) ピルケースを取り出すあなたの手元へ、視線を向けて。 それでも、特に問い質しはしない。 鏡沼は、 それを知っている のだから。「……んじゃ、ヤベェと思ったら速攻そいつに頼っちまって くださいね」 そう微笑んだ次の瞬間、鏡沼の目は隠されて見えなくなった。 眼鏡も掛けていない。 それは、確かに“鏡沼創”である筈なのに あなたがよく知る“あなた”の姿をしていた。 あなたは“彼”を“鏡沼創”だと認識するだろう。 「──これが、僕が今認識してる“神谷恵太”でやがりますよ」 そのふざけた口調を除けば、声までもあなたのものだ。 「この状態が気色悪くて何とかしてぇなら、アンタは 僕の認識に干渉するしかねぇです」 或いは、自分が干渉をやめればいいのだけれど。 その事は伏せて、あなたの反応を伺う。 (21) 2021/11/07(Sun) 0:59:07 |