人狼物語 三日月国

139 【身内】花咲く日、蜜の香りと踊る【RP村】


【人】 魔法使い ラサルハグ

>>19 テレベルム

キャンバスが鮮やかに色づいていく様子を見守っていた。
一仕事終えた長身の男の、長く滑らかな髪を、傍らから勝手に一房手に取った。
プリズムを通したように、角度によって複雑に表情を変える色彩をまじまじと眺める。ここまでの動作が無造作すぎるのは、成人男性が相手だから。

「――…テレベルム殿の“色”も、良い色だと思う」

見上げて抜かしたのはそんな言葉だった。
さらさらと音を立てる様にして髪が手から流れた。

「…さて…何の話だったか。
 そう…、貴公の言った通り。名残惜しくとも…
 次の出会いもまた、善きものだと。そう思いたい。
 ……今生の別れでもない。時間は有限だが…、
 決して僅かでもない。
 次を求めるも再び見えるも、選ぶ事が出来る」

真顔のまま少し首を傾いで、先の問いに答える。

「……善き出会いだったから。
 また此処を訪れる事を……私は選ぶよ。
 …貴公にとっては…いや、多くの人々にとっては、
 改めての出会いとなるのかも…分からないが」

指しているのは、相手の変化について。
一応、察知してはいる。流されれば深く尋ねる事はするまい。
(21) 2022/03/30(Wed) 22:14:11