【人】 楯山 一利観念して、アイツの家に電話を掛ける。 すぐにお袋さんが出た。 『あらカズくん。 ウチに電話なんて珍しいわねぇ。 ……え?あの子と一緒じゃないの? 出かけてから随分経つわよ。』 つまり、今家にはいない。 もう5時間は経っているとの事だった。 ちょっと心配し始めたのか、どうしたのかと聞かれて なんて答えれば良いかも分からず 適当に言い訳をして、なんでもないって電話を切った。 暗くなったら、余計に探しにくくなる。 それに夜道を女の子が一人で ブラブラと出歩くのも危ない。 早く見つけなきゃ……。 無事なことを祈って、俺は街中を駆けまわった。 (21) 2022/10/21(Fri) 19:34:48 |