【人】 「狂」の神 アネーシャ「ーー…………」 …………………… 「“この件から手を引いて”? ……それってどういう意味かしら〜? ねぇ、ペノルくん。 わたくしはね、 最初から一匙だって関わってはいないわ。 ペノルくんは神になりたいの〜? いいんじゃないかしら、わたくし応援するわ〜。 だってわたくし、 全部、どうだっていいんですもの。 でもね〜、わたくしにもひとつだけ、 どうしても叶えたいことがあるの。 だからわたくしは、此処にいるのよ〜」 一度、止まって、 ゆっくりと、ペノルの肩を押してその顔を遠ざける。 嗚呼、佳い顔。 アネーシャは、静かに笑った。 紅い三日月が、ゆっくりと開く。 (22) kikimi 2019/10/06(Sun) 11:19:42 |